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Kronig-Penneyモデルによる1次元結晶の波動関数

プログラム kronig_penney.pyと本ページは、
シミュ君日記のYoutube動画がきっかけになって作成したものです

2024年度 結晶工学スクール 関連資料 で 公開しているkronig_penney.pyを使って作ったアニメーションです。

下図の拡張ゾーン表示と還元ゾーン表示を理解して、以下のアニメーションとBlochの波数ベクトルkwの関係を考えてみましょう。
より詳しい内容は BlochsTheorem.pdf を参照のこと


プログラム kronig_penney.py

Update:


kw = 0 (Γ点) の波動関数 (左図) は、Bloch波の位相 (包絡線) は移動せず、位相 (実部と虚部の値) だけが時間変化します。
包絡線が移動しないので、速度は 0 ということになります。
第2準位 (iLevel = 1) (中図) は、BZ の周期性から、kw = 1.0 の波数の波動関数 (右図) に対応しています。
(厳密には、kw = 0, ±1, ±2, ・・・  の波動関数は kw = 0, ±1, ±2, ・・・ の波動関数と混成します。
より正確な計算を行う場合は、2024年度 結晶工学スクール 関連資料 で公開している平面波法のプログラム pw1.py をご覧ください)
kronig_penney_wfanim_kw_0_Level_0.gif  
kronig_penney_wfanim_kw_0_Level_1.gif  
kronig_penney_wfanim_kw_1_Level_0.gif  
kw = 0.03 になると、わずかですが、包絡線は右方向に移動しています。電子が右方向の速度と運動量を持っていることに対応しています。
kronig_penney_wfanim_kw_0.03_Level_0.gif  
kw = 0.1 (左図) になると、包絡線が移動する速度が速くなります。電子の群速度が速くなっていることに対応しています。
kw = 1.1 の波動関数 (中図) は、kw = 0.1 の第2準位 (右図) に対応しています。
kronig_penney_wfanim_kw_0.1_Level_0.gif  
kronig_penney_wfanim_kw_1.1_Level_0.gif  
kronig_penney_wfanim_kw_0.1_Level_1.gif  
kw = 1.3 の波動関数 (中図) は、kw = 0.3 の第2準位 (右図) に対応しています。
kronig_penney_wfanim_kw_0.3_Level_0.gif  
kronig_penney_wfanim_kw_1.3_Level_0.gif  
kronig_penney_wfanim_kw_0.3_Level_1.gif  
BZ境界 (kw = 0.5) の波動関数は、kw = 0.5 と kw = -0.5 (正確には、他に1.5, -1.5, ・・・など、周期性で等価な波数を全て含みますが、
教科書では2波近似をしています) が干渉するために定在波を作ります。
その結果、kw = 0.0と同様、包絡線は移動せず、電子の速度は 0 になります。
kw = 0.5 と kw = -0.5 の波動関数が干渉 (混成) する結果、結合軌道が iLevel = 0 (左図)、反結合軌道が iLevel = 1 (右図) のようになり、
バンドギャップが生じます。
kronig_penney_wfanim_kw_0.5_Level_0.gif
kronig_penney_wfanim_kw_0.5_Level_1.gif
第1BZを超えたBloch波数 kw = 0.7 (左図) は、BZの周期性から kw = -0.3 の第2準位の波動関数 (中図) に一致します。
kronig_penney_wfanim_kw_0.7_Level_0.gif  
kronig_penney_wfanim_kw_-0.3_Level_1.gif
kronig_penney_wfanim_kw_-0.3_Level_0.gif